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・96/12.25 「本山博会長、ライン博士記念賞受賞と海外講演」 
・Dr.Motoyamaインド・オーストラリアの旅-


J.B.ライン博士記念賞


偉大な聖人であり同時に偉大な科学者である本山博博士は、宗教と科学の統合を試みることによって、人類の健全で豊かな、幸せなあり方を明らかにする上で、重要な貢献をされました。

また、スワミ・サチャナンダ・サラスワッティは、本山博士のご研究について「相対性理論がニュートンカ学にとって代わって以来の革命的な科学的発見」と讃え、また、本山博士を「アインシュタインに匹敵する科学者」と呼んでいます。

 著名な超心理学者であるK.ラーマクリシュナ・ラオ教授は、本山博士について、偉大な研究者・学者・科学者であり、また偉大なヨギでもあり、「科学と精神性、理性と啓示、との接点を見いだし、東洋と西洋がもつそれぞれのよいものを統合するために多大な努力をされ、すべての人類が平和と調和と幸福を得るためにはどうすればよいか、その道標を掲げられた」と讃えています。

 本山博博士は、1925年、香川県小豆郡に生まれられ、東京文理科大学で、哲学・心理学の博士号を取得されました。また、1958年には、宗教法入玉光神社の初代宮司となられました。このように、強い宗教的伝統に身をおかれる一方、科学者としてご自分の研究に励む努力を惜しまれませんでした。そして、ご自分が超常的に体験されたことを科学的に証明するデータを集められ、分析されました。このような科学的探求心は、博士を超心理学的研究へと導きました。即ち、博士は、科学と宗教との間の亀裂に橋をかける可能性を、超心理学の内に見いだされたのであります。

 本山博士は、1962年、デューク大学において、実験超心理学の父、J.B.ライン博士と一緒に研究され、日本に帰国後、超常能力についての電気生理学的研究を含め、数々の、大変重要な研究を続けられました。また、博士は、「チャクラが高い意識への掛け橋である」と学問的に定義する上で、大変意味深い貢献をされました。さらに、博士は、AMIという、経絡と内臓の機能状況を、簡単に、瞬時に診断する機械を発明され、このAMIは、アメリカにおいても1976年に特許を取得し、現在は数多くの研究所や大学病院で使われています。

 本山博士は、世界各国で講演をされ、また多くの著書を出版されています。そのうちの代表的な著作が英訳され、出版されています。無作為に英訳本をあげてみますと、Toward a Superconsciousness(Asian Humanities Press,U.S.A.,1990)註1,The Corrlation between Psi Energy and Ki(Human Science Press,Japan,1991)註2,Karma and Rekcamation(J.Piatkus Lid.London,1992)註3,"Human Beingsin the Future Global Society"in Voices on the Threshold of Tomorrow(Theosophical Publishing House,U.S.A.,1992)註4等があります。

 本山博士は、アメリカ合衆国カリフォルニアに、California lnstitute for Human Science(CIHS)を、また、日本に、本山人間科学大学院(MIHS)を創立され、現在は、両大学院の学長をつとめており、さらに、宗教心理学研究所・本山生命物理研究所の所長も兼務され、日本ホリステイック医学協会顧問、デンタルホリステイック医学協会顧問、日本ストレス学会等の幹事もされています。

 超心理学は、本山博士がその生涯を捧げて研究に取り組んでこられた、宗教と科学とを繋ぐ領域に位置しています。先生はその中に、自己を実現されたのであります。ヴェーダンタ哲学でいうBrabania Bhutaのように、また、仏教でいうダルマ・カーラのように、先生の知恵は、先生の存在そのものであります。これは、普通の文学者や科学者にできることではありません。本山博士のように、自由な境地を実現された覚者にのみ可能なことでしょう。

 以上の理由から、私どもは、本山博博士の超心理学に対する際だったご貢献を讃え、1996年度のJ.B.ライン博士記念賞を贈ることにいたしました。

 アンドラ大学 Dr.K.ラーマクリシュナ・ラオ基金   註1.1超意識への飛躍」の英訳本 註2.「Psiと気の関係」の英訳本 註3.「カルマと再生」、「輪廻転生の秘密」の英訳編集本 註4.「21世紀への提言」(英語版のみ)に、世界を代表する145人の識者の一人として本山会長が投稿された「来たるべき地球社会の人類」と題された論文


祝 電   お祝い   本山 博様
このたびの「J.Bライン生誕百年記念賞」のご受賞、誠におめでとうございます。
永年のご功績を称え栄えある受賞を祝福致しますとともに、
今後ますますのご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

 10月31日  京セラ株式会社 取締役会長 稲盛 和夫
 


九月号のマンスりーの国際部便りでお知らせしましたように、本山博会長は、「J・B・ライン博士生誕百年記念賞」を受賞されました。

その受賞式、および世界ヨーガ会議に出席されるため、十月七日から二十二日まで、オーストラリアとインドに行かれました。

 十日~十三日には、オーストラリアのシドニーでおこなわれた世界ヨーガ会議「二十一世紀におけるヨーガと科学の統合」で、「チャクラの生理学』と題して基調講演され、また、「クンダリニーを安全に覚醒するには」をワークショップ形式で指導されました。  また、世界ヨーガ会議の前日には、神智学協会ブラバスキー口ッジで、「催眠現象と神秘体験』について御講演をなさいました。

 その後、シンガポール経由で渡印され、アンドラ大学で「J・B・ライン博士生誕百年記念賞」受賞式にご出席されました。  会長と会長夫人に今回のご旅行について伺いました。そのインタビューの内容を、今月と来月の二回に分けてお伝えします。 南半球と北半球の違いを実感 質問 まず全般的に印象をお聞かせ下さい。

会長 オーストラリアには初めて行ってね、以前、南半球にあるブラジルに行った時は忙しかったのかあまり気にもしなかったのだけれど、今度は南半球と北半球の違いを非常に実感しましたね。  南半球では、北風が吹いてくると暖かくて、南風が吹いてくると寒いのです。それで家も北の方へ向いて窓があいていて南の方には窓がない。家の建て方そのものが、本当に南半球だなと思いました。

 そして、北半球のイギリス人が南半球のオーストラリアに移り住んで、家の構造を、そういう環境に合わせて、つまり南半球に合うように変えるのに百年かかったんだそうです。  それで見ても、人間がいかに住んでいるところの気候とか環境とかに合わないと生きられないかということ、そして、先祖以来何千年かの文化とか考え方、生活の仕方などが人間に深くしみ込んでいて、それを変えるのに百年もかかったということが非常におもしろいと思いました。

オーストラリアでの講演  世界ヨーガ会議というのは、サッチャナンダのヨ‐ガの会で、割合盛んで二千五百人ぐらい集まったように思います。  ここでは、ヨーガをする時、どうして精神的にも肉体的にも不安定な状態になるのか、そしてそれをどうしたらふせげるか、という話をしました。

 アメリカ人やヨーロッパ人は、自我が非常に強いわけです。それでその自我を破らないと、そういうものから自由になっていないと、霊的なすごい大きな高い次元のものが入ってきた時に、大きなものを小さな自分が受け入れられないから、そこで非常に異常なスピリチュアルな状態が生じる。

だから、まず自我を捨てて、小さな個人というものにとらわれないように、という話をしました。また、身体のエネルギーを整える体操というのも非常に準備として大事だから、というような話をしました。皆感銘を受けたみたいですね。  それと似たような話を神智学協会でもしました。そこも大きな会で、七階建位の大きな建てものを全部協会が持っていて、出版とかいろいろなものをやっていました。

あそこは百五十年ぐらいの歴史があって、私が講演したとき、今までその歴史の中で、聴衆が一番多かったということのようです。講堂がいっぱいになって、立っている人も多くてね。 「催眠現象と神秘的な体験の違い」のような話をしましたが、皆よくわかったようですね。 J・B・ライン記念賞受賞式-新しい超心理学、人間科学 の先駆者と認められてー  インドには「J・B・ライン博士生誕百年記念賞」の受賞式に行ったのです。  

インドのアンドラ大学というのは今から二十五年か三十年ほど前に、世界中で国立大学としては初めて超心理学科というのが心理学科と併設をされてできた所なのです。超心理学が大学の大学院のコースになったのは世界で初めてなのですが、それができるのには、私とJ・G・プラット(当時のデューク大学の超心理学研究副所長)が行って、講演をして回ったことが、援護になって、ラオが世界中で初めて超心理科を国立大学で作れたわけです。 私自身も1969年から1970年にかけてアンドラ大学へ行って、大学院で超心理とか電気整理心理学を教えました。

 超心理学に関する電気生理学的研究は、一九五〇年ごろから続けてきていました。ヨーガの瞑想とかアーサナとか呼吸法によって、行者の心身がどんなふうに変わるかということ、そしてそれらがESPとかPKの能力が開発される大きな一つの行法であり、さらに悟りの世界に達することもできるという研究を、今までに五十年ほどかけて、超心理学の手法も入れながら、生物物理学の立場でやってきたわけです。

 そしてこの頃は、世界中で、超心理学の研究とか、微細エネルギーというかサトルエネルギーの研究をするのが、アメリカでもヨーロッパでも非常に盛んになってきたように思うのです。ドイツでは、二十年かそこら前から、生体のバイオフォトンというのを調べる学会ができたわけです。日本の大学でそれをまねてやっているところもありますが、ドイツの学会の人たちは、私の研究を取り入れて、バイオフォトンを測るときには井穴で測っているわけです。しかし、そういう人たちが私の方法にしたがってやっているということも、世界中で段々に知られてきましたし、AMIのことも知られてきました。AMIが、生体のエネルギーを調べる上で非常に有用だというので、今アメリカではバージニア大学等で取り入れて、リブセイ(CIHS行政担当学部長)達がワークショップで教えに行くようになってきていますね。

 私は、人間の心が、脳の働きの延長でなくて、脳や身体から独立して動いて、認知もできるし記憶もできるというふうな研究をしてきました。そして生物学的にあるいは生体エネルギーの立場から、超常現象についての研究をした結果、独立に存在できるのが魂だということが段々に証明できたと思うのです。

 そういう魂の世界の問題は宗教の問題だから、「今まで分離していた宗教と科学を統一する科学的な研究基盤を、私の研究が与えることができた」というのが、今回の受賞の理由ですね。そのようなことが書いてありますよ、この賞状に。(賞状の翻訳全文を掲載しています。) この賞はアンドラ大学の学長からもらったわけですが、ラオが推薦したんですね。私の提案に沿ってラオは超心理学というのを、ラインさんが始めたような単なる小さな分野の超心理学にしないで、人間とは何かという、そういう方向に持っていきましたね。ラインさんもそういう方向に行ったし、ラオもそういう方向に行ったわけです。ですから、ラインさんの超心理学研究所という名称も人間性研究所というふうに変わったわけですよね。

 今、そういう方向で動いているわけですが、その人間とは何かという研究、人間の心とか魂とか脳などがどんなふうに実際に作用し合うかという科学的な研究、そして宗教と科学を統一するような魂と身体の科学というようなもの、そういうのが私の研究を通して段々にできてきたわけです。それが受賞の対象になったのです。  そういうものを認めてくれる国際的な学会ができた、四十年ぐらい前だったら全く認められないようなことが、そういうふうに、今は、科学と宗教が一つの方向を目指して進むようになった、これが今の新しい科学だと思うのです。

 そういう意味で、一つの先駆者というかパイオニアとして皆が認めてくれたということが、ありがたいと思いました。  賞はJ・B・ライン賞ということですが、ライン先生にもそういう意味でお世話になったことだし、ラインさんの超心理学を更に発展させることができて自分としても喜んでいます。 マドラス大学での講演  受賞式の前日、マドラスに立ち寄ったとき、マドラスの大学で講演をしました。大学院の学生とか心理学科の学生とか、助教授、教授たちがみな集まっていて、初めは会いたいというだけだったから行ったのですが、講演してくれと急にそういうふうになっちやって、まあ向こうは初めから予定してたんだな(笑)。その時このピーコックの盾をくれました。

 それで二時間ほど講演したと思います。人間とは何かというか、身心相関の話をしてきました。つまり、昔は精神身体医学というのがあったけれども、それは実際はメカニズムが何も分からない状態で臨床的な面だけ取り上げて、心持ちがこうだと身体にどんな変化が起きるというだけだったこと。

けれども、今私たちがCIHSやMIHSなどでやっているのは、心の状態がどういう時に、また、身体の条件が分子とかエネルギーのレベルでどういう状態の時に、精神的なエネルギーが干渉を起こしやすいか、というような研究をしていること。そしてそれによって、身心の相関のメカニズムがだんだん科学的にわかってきたというような話や、AMIの話で生体にエネルギーがあるという話をしました。  特に学生は時々わかってないみたいでしたが、助教授クラス以上の人たちは非常に関心を持って、質問がよく出て、割合良い集まりになったように思います。

聖者を讃えるように 質問 同行された奥様はどのような感想をお持ちになりましたか。
会長夫人 オーストラリアでは神智学協会の方々も大変熱心でしたが、サッチャナンダの会でもたくさんの人が集まって非常に熱心で、皆さんも非常に親切で、心を砕いて私たちを接待してくださって、ただの学会でない、ヨーガというか自分を磨くためのグループの方々らしい心配りがとても印象に残りました。

 インドでは、先生の学問的な評価と共に、先生が偉大な宗教家であるという意識に基づいて賞が贈られたことに対して、私は特にうれしく思いました。そして受賞式がただの学者に対する贈呈式という以上に、先生の人柄というか、なさっておられることへの非常な尊敬と愛情の念を以って皆さんが受賞式をしてくださり、十人あまりの方々がかわるがわる花を捧げてお祝いしてくださったことが本当にうれしく思いました。

会長 そうだよね。インドで聖者に皆が祝福する、聖者を讃えるようなこころだね、ただの学者というのでなくてね。 会長夫人 受賞理由の最初の言葉も、「偉大な聖人であり、また同時に偉大な科学者である」と最初におっしやってくださったのもひどく感動しました。そしてアンドラ大学の一同の方が本当に尊敬して丁寧に丁寧に心を砕いて接待してくださったので、雨続きのインドでしたけど、本当に懐かしい思い出になりました。

オーストラリアの会場
質問 世界ヨーガ会議の会場に集まったのはどんな方達でしょうか。
会長 みなオーストラリアの人たちです。二十歳前後から六十ぐらいかな。二千人あまり。アシュラムがあってね、常時そこには二千何百人かいるんでしょう。集まったのはヨーガをしている人たちですね。 会長夫人 皆、黄色い服を着ていらっしやいました。

質問 かなり大きな会場だと思うのですが。
会長 会場はシドニーのコンベンションセンターです。建物の中にはいろいろな大きさの部屋があったようですが、私が講演やワークショップをしたところは、ともに、二千五百人ぐらい入るところで、八割ぐらいいっぱいになってたように思いますね。同時に何ヶ所かで行なわれたので、ほかの人のところは二百人ずつぐらいだったようですね。

質問 会場から質問が出たのでしょうか。
会長 会場からはあまり出なかったよね。
会長夫人 質問の時間がなくなってしまったんです。霊的危機におちいらないためにはどういうふうな注意がいるかということを、行法とか生活の中とか体操とかについて、具体的に詳しくお話しになったので、皆さん、熱心にメモを取りながら、とても一生懸命聴いていらっしゃいました。

会長 (講演やワークシヨップが)終わった後、クンダリニーが目覚めていろいろな症状が起きてどうしていいかわからなくて困っているという人が、何人か、相談に来ました。いろいろ注意をしたんですが、とても喜んで帰っていきましたね。  インドの受賞式の講演の後でも、やはり、行をしていてこういうふうになったんだけれども自分でよくわからないといって、相談に来ました。大学の助教授で生理学かなにかやっている人とか、何人かね。インドにはたくさんグルがいるはずなんだけど。これはこういうわけだから、クンダリニーシャクティが動いてこうなってるんだという話をすると、皆、よく納得できたようでした。

質問 神智学協会の講演もシドニー市内ですか。

会長 そうですね。集まった人たちはさまざまで、大学の教師もいるし、一般のセラピストもいるし、どちらにしても、神智学とかヨーガに興味のある人達ですね。

質問 マスコミの取材も多かったとお聞きしていますが。
会長 そうですね、サッチャナンダの会ではテレビ取材もありましたね。

質問 オーストラリアの人達は、本山先生に対してどのようなイメージがあるのでしょうか。
会長 サッチャナンダと同じょうに偉い人、という感じを皆持っているようですね。ですから、サッチャナンダの後継ぎのニランジャラナンダもすごく丁寧でした。いつも必ず、私のそばに座るようにしてましたね。講演者が二、三十人いたけれど、みなちょっと離れて座っている。
 どこへ行っても同じですね。アメリカのインディアンのところに行けば酋長の中の大酋長として皆たててくれるしね、インドに行くと要するに聖者なんですよ。日本だと宮司さんだけど(笑)。

会長夫人 サッチャナンダさんは年を取られたのでオーストラリアには見えなかったのですけれど、サッチャナンダさんの御指示があったらしく、皆さんが、先生への送り迎えとか接待とか心を込めてしてくださいました。

会長 必ず、車で送り迎えする専用の人とか、会場に行っても世話をしてくれる人がついてね、ほかの人にはそういうことは誰もしてないんですよね。 会長夫人 講師はフランスとか世界中からみえていましたが、先生には特によくしてくださいました。 K・ラマクリシュナ・ラオ博士

質問 ラオ博士についてご説明いただけますか。
会長 アンドラ大学で超心理学の学科を作って、前は心理学科の主任教授で、その次は学長になったんですよね、学長を終えてから州政府の重要なポストにも就いていましたね。

 ラインさんがやっていた超心理学の枠を超えて、人間性の研究をする研究所を作りたい、ラオは私の考え方とそういう意味ではよく似ていて、ヨーガと意識の研究所を作ったわけです。マハラジヤと言うか、代々、州の王様だった人が寄付をしてそれで研究所ができたのです。ラオは今その名誉理事か名誉所長かですね。

 一九六九年にインドヘ行った時にびっくりしたのですが、ラオは毎朝ちゃんとインドの服装に着替えて礼拝しているのです。科学者としては自分の信仰についてはおくびにも出さないけれども、非常に信仰が厚いのです。  超心理学の研究については、アメリカで非常に認められていますね、インド人だけれどもラインさんの跡を継いでアメリカの人間性研究所(超心理学研究所から改名)の所長になったわけですからね。
 学者としても有能だし、信仰心が篤くて、信頼ができる人物だと思いますね。

ー中略ー

けれども、混沌とした中に秩序がある。そういうのが宗教的な世界につながりやすいんだろうと思うのですが、確かに前と違って、西洋的な文化と言うか技術文化がかなり入ってきていますね。それでおもしろいと思ったのはね、大学の教授などのインテリは、インドの生活も楽しむけれども、アメリカやヨーロッパヘ頭脳流出で出て行く人が多いのです。そういう人たちは物の豊かな生活がやはりいいみたいですね。いっぺんそういう生活に慣れると、なかなかインドだけで満足できないようです。それが現状のようですね。逆に、アメリカ人は、物の生活が豊かなのですが、それに満足しないで、インドヘ行くのです。インド人は宗教の世界、インドの世界になにか物足りなくて、豊かな生活を求めてアメリカに行く。それが今の世界の動きのようですね。

 豊かな宗教の世界と豊かな物の世界がーつになれるように、今、世界が動いているように思うのです。しかし、それをどういうふうにしたらいいかということは、誰もわかっていない。それを、人間とは何かということ、社会性と個人性、宗教と科学の統合ということを明らかにし、みんなに伝えていくことが、私の役目だと思っています。


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