BPは経絡機能のパラメーターである.真皮結合識は経絡ではなかろうか
(I)BP,AP,IQ,TCのうち,BPの値は経絡と関係のあるパラメーターである
2)BP値では、陰陽関係にある経絡間で陰>陽の関係が最も多く示される
(1)BP値には,陰経>陽経の関係がある
健康者29名のAMIデータのL%、R%(各経絡は左右の手足に6経絡ずつある。従って全体で24経絡ある。その24経絡のBP、AP等の値をそれぞれ合計し、その合計値を24で割ってBP、AP等のそれぞれの平均値を出し、その平均値で各経絡のBP、AP等のそれぞれの値Iiを割り、左手足のものをそれぞれLi%,右のものをRi%とする)をそれぞれに合計して平均値を出し、伝統的な経絡の循行の順に従って平均値を並べたヒストグラムが表Aである。AP、IQ、TCのグラフに較べて、BPではおおよそ肺、大腸……胆、肝の順位でL%、R%の29名の平均値が並んでいるように思われる。TCでは明らかに肺、大腸……肝の順に平均値が並んでいない。
さて次に、L%、R%、(L%+R%)/2の三つについて、値の高い順に並べて表B~表Dを作ってみた。ところが興味あることが見出された。即ちL%の表Bについてみると、BPのみは陰経の値が、伝統的な陰陽関係(註)にある陽経のそれよりすべて高い、つまり陰>陽の関係が示されたのに対し、AP、IQ、TCでは陰>陽となったり、陽>陰となって、明確な陰>陽の関係は見出されない。次にR%の表Cをみると、AP、TCでは陰>陽、陽>陰が混合して、陰>陽関係は認められない。これに対しBPでは、腎―膀胱を除いてすべて陰>陽の関係にある。またIQでもすべて陰陽関係にある陰経と陽経間で、陰経>陽経の関係がみられる。次に(L%+R%)/2の表Dについてみると、BPにおいてのみすべての陰陽関係にある経絡で陰>陽の関係がみられたのに対し、AP、IQ、TCでは陰>陽、陽>陰となって、明らかな陰>陽関係はみられなかった。
(註)6対の陰陽関係にある経絡は次の如し。
(陰経) (陽経) (陰経) (陽経) (陰経) (陽経)
(1)肺 経←→大腸経 (3)心 経←→小腸経 (5)心包経←→三焦経
(2)脾 経←→胃 経 (4)腎 経←→膀胱経 (6)肝 経←→胆 経
これ等6対の各陰経、陽経間には密接な拮抗関係がある。即ち陰が盛んとなれば陽がこれを抑制する。陽が盛んとなれば陰がこれを制するが如くである。しかしこの拮抗のバランスが崩れて一方が極端に強く他が弱くなると、そこから疾病が発生すると言われている。
更に上記のことを確かめるために、29名の患者のAMIデータについて、BPのL%、R%に関し、値の高い順に並べて表Eを作ってみた。ここでもL%の腎―膀胱の陰陽関係を除いた5対のL%の陰陽関係の経絡間、及びR%ではすべての陰陽関係の経絡間で、陰経>陽経の関係が明らかにみられた。
以上、異なった2組のグループ、すなわち健康者(29名)、患者(29名)についてのAMIデータの分析結果から、陰陽関係にある経絡間で、BPのみが陰経>陽経の関係を示し、AP、TC、IQでは示さないことが明らかとなった。このことから,真皮内での電気現象の測定値であるBPの値は、AP、TC、IQとは違って、経絡の性状及び気の流れに関するパラメーターであることが推測される。