年次大会のあゆみ
2001年大会講師・講演内容
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鍼麻酔や気功が紹介され、もてはやされるようになってからすでに二十年近く経ちました。アメリカでは、小さな町々にも、ハタヨーガ教室の看板がみられます。
ヒトの染色体遺伝子が解読され、生体移殖も珍しくなくなった今日、人間味のない各種検査に基づく薬づけ医療、専門化され、細分化されすぎた医療システム、余りにも多すぎる医療ミス等が、人びとの目を、伝統的な東洋医療へ向けさせたのでしょう。
東洋医療の根幹は、人間を「大宇宙のエネルギーを分かち与えられた一生命体」とみることにあります。ですから、健康を保ち、病いを克服するためには、先ず、命の基であるエネルギー(プラナ、気)を取り入れ、養い、整えなくてはなりません。
そのための体操がハタヨーガであり、そのための呼吸法がプラナヤーマや丹田呼吸であり、そのための治療法が鍼灸治療です。今、これらの健康法、治療法の実績が、世界中で見直され、再評価され、最新の研究課題とされつつあります。
では、「気のエネルギー」とは、いったい何なのでしょうか。その本質、働きは、余りにも神秘化され、精神化され、それだけにまた、その実態は疑わしい、非科学的なものとされてきました。
ところが今、その非科学的とされてきた「気エネルギー」の実在、本質、働き等が科学的実験に基づいて明らかにされようとしています。また、秘伝化された気の養成法とその効果も、科学的に確かめられようとしています。
一方、それらの研究をとおして、気の養成・調整の効果は、単に身体の健康に関与するだけでなく、心理的安定、精神的向上にも関与することがわかってきました。
気功を世界に拡めた中国で今気功が禁止されたこと自体、気の養成が単に肉体次元だけでの影響に終わらないことを示しているのかも知れません。
今回のIARP年次大会では、長年気のエネルギーの本質について科学的に研究してこられた先生方や、各種医療に運用し目ざましい実績を挙げてこられた先生方、さらには気の養成に努めてこられた先生方をお招きして、気エネルギー研究の世界的最新情報と、気エネルギー調整・運用の不思議、気エネルギー養成の理論と実習法について、お話し戴き、実習します。
生まれつき身体の虚弱な方、今の健康を維持したい方、老いてなおボケずに元気でいたいと望まれる方、心の安定と精神の向上を望まれる方、また、さらなる修行に励みたい方等、それぞれの皆様方のご参会を心からお待ちしています。
講師&講演要旨紹介
石川 達也先生
1928年生まれ。東京歯科大学常務理事、同大学千葉病院長などを歴任される一方で、政府の審議会や委員会等の要職を務められました。
2000年5月東京国際展示場において催された第19回日本歯科医学会総会ならびに第22回アジア太平洋歯科大会には、「歯科医学と健康の創造」というメインテーマのもと、各国各界よりおよそ2万人の人びとが参加されましたが、石川先生はこの総会ならびに大会の会頭を務められました。
今回は経絡機能と臓器疾患との関連、愁訴と臓器疾患との関係、口腔に分布する経絡等に関し、最新の研究成果についてお話し下さいます。
谷 美智士先生
1939年生まれ。医学博士。長崎大学医学部大学院在学中より東洋医学に関心をもたれ、69年、日本初の針麻酔手術に成功される。
八五年から九一年まで東京女子医科大学において漢方専門外来を担当される。九五年、医療法人長白会タニクリニックを開設される。九七年、財団法人東方医療振興財団理事長に就任され、日本東方医学会会長を務められている。
西洋医学と東洋医学をあわせた独自の総合治療を実践され、これまで
癌、エイズ、膠原病などの難病治療に驚異的な成果をあげられている。九一年より、ルーマニアにおけるエイズ幼児治療に従事され、積極的なボランティア活動をなさっている。
主な著書に『東洋医学でこんなに良くなる』『東洋医学と西洋医学』『ガンはここまで治る』その他多数。
「講演題目」・・・「気の応用と私の臨床経験」
「『気』の存在は昔から広く知られている。しかし現在科学的には認知されていない。最近、現代医学の限界が言われる一方で、東方伝統医療の見直しと両医療の統合が注目されるようになってきた。
中国医学は『気』と『血』を身体を構成する根本的な二大要素と考え、『気』を抜きでは何一つ語れない。大いなる矛盾である。私は、現代医学で全く見落とされている『気』を治療の主役にしてここ二十年来東方医学治療を試みてきた。案に違わず、今までとは一味違った効果を得ることが出来ている。その現れをルーマニアのエイズ児治療、ガン治療、喘息等の治療を通してご紹介し、自然が持つ幅広いエネルギーの中の微なるものを感じ取っていただければ幸いと思う。」
塚田 新伍先生
1965年生まれ。外科医師として臨床に従事した後、現在は医科大学生理学教室において神経生理学研究に従事されている。(ご専門は末梢神経の再生の分子機構)
大学時代より東洋医学と心身医学に関心を持たれ、本山人間科学大学院大学(MIHS)において東洋医学及び生理心理学の研究・教育、特にAMIに関する研究をされている。
また、内科や整形外科診療にも従事され、現在、鍼灸と現代医学の両面からの治療をされている。
「講演題目」・・・「気の医学の世界的状況とAMI」
「現代医学は、ヒトの染色体遺伝子の全解読に代表される大きな成果を挙げている一方で、医療不信、医療費の増大など構造的にさまざまな問題を抱えている。そうした反省から、欧米を中心に代替医療、特に東洋医学に対する評価が高まり、医療規模が拡大し、本格的な臨床研究も進められている。こうした社会的背景の中で、東洋医学の根幹をなす重要な概念である、「気」と「経絡」に関する関心が高まりつつある。
CIHS学長の本山博博士は、多年にわたる気と経絡の研究に基づき、身体の気の流れを測定する装置である、AMIを発明された。このAMIを用いることによって、これまで神秘のベールに包まれていた気と経絡の状態が初めて明らかにされた。AMIが捉えた非常に興味深いデーターを多数紹介しながら、身体に秘められた気と経絡の驚くべき姿について解説する。」
本山 博先生
1925年生まれ。文学博士(哲学、心理学)五六年東京文理科大学(現・筑波大学)大学院哲学科卒。58年、東京文理科大学記念賞を受賞される。77年、イタリア学士院アカデミア・チベリナ正会員。87年より日本ホリスティック医学協会顧問を務められている。
幼児よりの厳しい修行をとおして体得された宗教経験の世界を、電気生理学的、生物物理学的研究方法により明らかにされると共に、学問と修行両面からの後進指導に生涯を捧げられ、この目的から、61年、宗教心理学研究所、72年、国際宗教・超心理学会(IARP)を設立される。また92年、カリフォルニア人間科学大学院(CIHS)を設立され学長を務められている。
主な著書に、『神秘体験の種々相Ⅰ・Ⅱ』『東洋医学気の流れの測定・診断と治療』その他多数。
「講演題目」・・・「気による心身の健康」
「インドのヨーガ、中国の経絡医学は、西洋医学のように身体を形ある物質の集合としてでなく、むしろ生体エネルギーの観点から捉え、プラナ、気を整えることによって身体を健康に維持できるとして、何千年の間、人間の健康維持に多大の効果をあげてきた。
人間の生命力の根源として、インドのヨーガではシャクティ(性力、リビドー)、中国医学では下焦(生殖力)」を重視し、丹田呼吸法を行なった。身体全体の各部分をコントロールする五つのプラナ、三焦を整えるために、ヨーガ、中国医学共に周天法、パワンムクタアーサナ、気功を行なった。これらの呼吸法は、行法は、病気の治癒を主目標とする西洋医学とは違って、病気になるのを防ぐ方法、健康を維持する方法として、世界中で、オールタナティブ・メディスン(alternative
medicine)の一環として人びとに行なわれるようになった。これらの行法、呼吸法がなぜ効果があるかを、実験結果と体験に基づいて説明したい。」
福岡 明先生
1925年生まれ。医学博士。東京歯科医学専門学校ご卒業後、慶応義塾大学医学部歯科学教室、東京歯科大学生理学教室、大阪大学医学部第二生理学教室などにて臨床及び生理学を研究される。
また、明治鍼灸大学非常勤講師、日本歯科東洋学会会長を経て、現在東京歯科大学講師、
日本バイディジタルO―リングテスト協会歯学部会長、JACT理事、日本統合医療学会理事。
医療法人社団明徳会会長、同福岡歯科付属東洋医学研究所所長を務められる。
長年にわたり、東洋医学の歯科への導入をライフワークとして研究してこられた。
主な著書に『これで歯医者はこわくない』『歯科臨床に即応用できるペインコントロールとしてのツボ刺激療法』『医者が書いた気の本』他多数。
「パネルディスカッションにおけるお話のテーマ」・・・「歯科臨床の現場よりみた【気】とその応用」
「患者さんに良い【気】を送ると治りが速い、痛みが消える、抜歯などの観血手術時に痛くない、腫れない、早く治るというように気は医療にとって無くてはならない一番大切な要素である。歯科治療に対する緊張不安惑は誰しもが抱き、臨床歯科医はその対応に悩まされるが、気を基調とした東洋医学的対応は極めて有効な手段である。今回、歯科開業50年の経験を通して、治してあげよう、気を入れてあげよう、という意識を持って行った施術と、単に機械論的な施術とが、いかに効果に差があるか、臨床的及び生理的客観的観察から、歯科臨床の現場での気についてその活用法を含めて述べてみたい。」
谷 美智士 先生 インタビュー 抜 粋
幼児エイズ患者の報道に触れ ルーマニアに飛び立つ
私自身のライフワークで悪性腫瘍の治療を長年やってきて言えることは、悪性腫瘍細胞を直接叩くというような生薬は世の中にないのです。抗がん剤というのはケミカルなものですから、自然の中で培われた花や葉っぱが人間の細胞を叩くというようなことはできません、常識的に考えてもね。自然の植物はそれなりにバランスを持って生きてきたわけですから。
それがものすごい力で悪性腫瘍細胞をやっつけるということはないわけですよ。
けれども、悪性腫瘍を駆逐するシステムが身体の中にありますから、その免疫システムを改善していくという方向でずっと私の治療をやってきました。その途中でエイズという病気が出てきたのです。
たまたま私が治療してよくなって頂いた鳥越俊太郎さんと田丸美寿々さんがキャスターを務める報道番組の中で、ルーマニアのエイズの赤ちゃんたちの大変悲惨な映像が出まして、ルーマニアに幼児エイズ感染者が激増していることを知りました。
死を待つ末期エイズの子供たち ビートルズのポール・マッカートニーの奥さんでリンダさんという方がいらっしゃいます。
これはもう七~八年前の話ですから、リンダさんは実は一九九八年に、乳癌で亡くなりました。けれども、まだお元気なときに、やはりこのルーマニアの赤ちゃんたちがバタバタ死んでいくことに―
―-おそらく何万人という赤ちゃんをエイズにしたのですね、あのチャウシェスクという人は----非常に心を痛めて、当時まだエイズを治す薬もないですし、治せないけれども、神に召される時はできるだけ豊かに、ということでエイズの赤ちゃんたちだけのホスピスをつくられたのですよ。
ルーマニアの中で一番エイズ患者の多いコンスタンツァというところです。
そこでたまたま私どももエイズの治療をしておりまして、私の援助している施設の隣にそのホスピスがあったのですね。それで行きましたら、痩せ細った子供がぼーっと座っているのです。エイズになると、ある一定のところまで進行するともう成長はしないのです。だんだん縮んでいってしまう。ですからその子は九歳でしたが、とても小さく、男の子のように思えたのですが実は女の子でした。この子はまもなく死ぬので、他の病院からこちらのホスピスに送られてきて、後一カ月はもたないということでした。
死の淵からの生還 それで、その子の脈をみてみると、私どもが「生き脈」と呼んでいるのですが、そういう脈状がほんの少し残っている、要するに免疫の機能がほんの少し残っていたのです。
それで、賄いさんの方に、隣の施設にある私のお茶を飲ませてほしい、と言うと、過去にそういうケースがありましたから、その晩から飲ませてくれたのです。そうしましたら、半年後にはすっかり元気になりました。
ですから、その人にまだ治す力があるなということはある程度わかります。
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