「信仰の始まり」
124号 1984/5/15 1984/2/11教師クラスより
本山 博
恵まれた人生が・・・
いろいろな宗教集団をみていても非常に繊細な人が多いね。ちょっとした事が気になる人が多い。そして案外と、心の不安定な人が多い様に思う。また、それまでは非常に具合が良かったけれども、ある事で家の中が壊れる様な事件が起きて、それから不安定になって入信するという場合も多い。
昨日かな、ある大会社で重役をしてたという人なんだけど、息子もアメリカの大学から帰って、どっかイギリスの銀行へ勤めるというような、割合に恵まれた家だったように思うんだけど、去年の七月頃か、奥さんとお嬢さんが自動車事故で即死したんですね。それでいろいろどうしたらよいのか悩みが出てきた。長い間三十年近くも一緒にやって来た奥さんに亡くなられて、可愛がっていた娘も一ペんに亡くなってしまった。どういう訳でこうなったんだろうかとか、仕事上の事やら色々悩みが出て来た。それで先日御神占に見えたんですけどね、その人を見ていると一番初めに、こう、眼鏡をかけた、少しお白粉をつけた様な感じの女の人が見えた。これは誰かなと見ていると、それから山並みがず-っとあって、そこの中腹に一軒家がある。それがその人の現在住んでいる家らしいんだけれど、その生駒の山のそこに一軒しかないみたいだけれど、そこはよく見ると、晋通は霊が住んで、霊がそこらによくいる所なんですね。
そういう所に家を建てるのは余りよろしくない。それがその一つの原因かな。
もう一つの原因は、その見えた女の人が奥さんで無いし、その人の家のカルマがやはり家がつぶれる様なカルマがあるんだね。それらがちょうどぶつかった。それで、その亡くなる前に、その女の人の両親の墓へ参ったらしくて、ちょうどその後で生駒の方へ車で行って、帰りにそういう事故にあった。その事故にあった所をみているとね、ちょうど愛知県の豊川稲荷の近辺らしいんだけど、そこは事故で人がよく死んでいるみたいなんです。そういういろんな事が重なって、そのような事故が起きたんだと思います。一番大きな原因は、生駒の山のそういう霊というか、神霊の住む所へ住んだのがよくなかった。もう一つは、その女の人の家のカルマだと思う。
己れの非力を悟るとき
で、まあ、人間というのは、困った事が起きると、今まで、自分がやってきてうまく成功して、定年になるまでは立派な社会人として、地位の高い人として通ってきた訳だけど、自分のその生活して来た場が、そういう風に崩れてしまう様になった時に、やはり人間の、人間というのは非力というかね、力が無いという事をやはり悟るんだね。そういった時にどうした理由か迷うその時に、気違いになってしまう人もいるし、ノイローゼになる人もいるし、もう一生懸命やったのにアホらしいというんでデタラメになる人もあるし、神様の方へ向く人もある。
いろんな人がいるけれど、でも、そういう事に出くわした時に、皆に、こう、神様の方へ向く、一つの契機が与えられる様に思うね。早く気がついたら、そういう事にならないで済んだかも知れないと思うんだけど。
昨日の朝か、みんなでお祈りした時に、その娘さんのことをお祈りしたんだけど、というのは、御神占の時に奥さんの方は性格が非常にまあ、朗らかな人で、そういう形で死んだんだけど、結構まあ、成仏していて、自分が死んでいるのが解った。娘の方は、まだ一種の昏睡状態みたいで、もう半年も経っているのにね。それでお祈りしてるとすごく眠くなって来てね、その娘さんがじ-っと横になって宙に浮いた様になって、寝てるような、意識を失なって倒れている状態がみえる。
もう半年も続いてるから何とかしてあげなきゃと思うんだけど、あと二、三回したら気が付くだろうと思う。「信仰の始まり」という所ね、今話した様に、人間がこう何か、人間の限界を感じた様な時に」宗教が始まる。
京都会議でのこと
先日、京都会議というのがあって、皆さんは知ってるのか知りませんが、京セラの稲盛さんという人が社長をしていて彼が一生懸命に科学と宗教の世界を何とかして結びつけたいと、で、やはり宗教が科学の元にある様な何かが、世の中に出て来ないと、創り出されないと、今のままの科学では人間が砂漠みたいになってしまう。或いは人間性が無くなってしまうという考えを非常に強くもっていて、主に京大の人ですけどね、元学長とか、教授とか、あるいは実業家とか、いろんな人が集まって、話し合いや勉強会をして、学問や事業にも役立つ様な情報を交換もする。で、そういう会で話をしてくれということで、行ったら、ちょうど江崎玲於奈さんや、広中平祐さん、先にノーベル賞を受けた福井謙一さん、哲学者の田中美知太郎さんとか、いろんな人が集まっていた。研究所で、ある霊能者が友人の霊能者と神霊の力を借りて、シールドルームの中で何もないところから、精神集中によって光が生じた、例の実験(詳細は「宗教の進化と科学」本山博著、宗教心理出版、「宗教と超心理」二十六号あるいは二十八号参照)とか、その他のいろんな実験の話をして、科学の根底にはやはり宗教がある、心が先にあるんだということを話した。今の科学や西洋の考え方だと、特に唯物論の考え方だと物があって、物の世界が出来てその一番上の所でちょうどコンピューターの様な組織が出来ている。それが人間の心だと考えてるみたいなふしが大いにある訳ですよね。ところが、そういう考えとは逆に、心がある事を思念をし、精神集中をして光を生み出したりとか、そのように思念を集中してそのチャクラが目覚めてくる、そしてそこからエネルギーを出したら、今まで無かった空気が出来たり、光が出来たり、あった電気が消えたり、磁場が消えたりする。そういう話をしてまた、今はもう消えてしまって痕跡も無い様な昔の事柄とか、昔の人の事がわかる、そういうのは現在の現実には無いものがわかるという事は、科学の世界では現実にあるものしかやはり対象に出来ないんだから、そういう現実には存在しない心の隠れた世界であるとか、或いは心の世界があって、そして物の世界がいろんな形をとってその心の力によって現われてくるんだ、という様な話をした。出席者のうち半分は信じて、半分は理解したみたいな、半分はよく解らんというような反応だった。
というのは、科学者というのは物の世界について考える事に慣れてるから、光が出たというと、例えば真空の中で強いエネルギーを放射すると、ある程度物質が出来るのと似た様なもので、そういうものではないかという。そういうエネルギーというのは、必然的な時間、空間に支配されるんだけど、今無い物を知る事の出来る様な心というものは、時間や空間を超えてるから、そういうものが物を作り出すんだという事を話したら、信じたいんだけど、信じたく無い様な感じだった。ところで割合にこういう場合には基礎物理とか数学をやっている人は頭が柔かいんだね。広中平祐さんは非常によくそれを理解してくれた。
チョンチョコピーはだめ
そして、現代の時代というものを見てみると、やはり科学がある程度進んで来ても、それが進めば進む程、こう、科学のもつ限界というものが解ると思うんですね。だからチョンチョコピ-の科学者は駄目ですね。もう実験をしたり、昔した事を習うのに専門で、それから先の事は解らない様な中流の学者は駄目だけどある程度、今の科学の先端までやって、新しいものを開拓している様な人は、やはり、人間の心の小ささや、それから理解力に非常に限界のあることに気づきはじめている。
先程のその光を生み出したエネルギーみたいなものは本当はどこから来たかという事は解らないわけですね。仮説を立てないとね。で、アインシュタインにしても、この心霊とか、超心理学に非常に興味を持って研究をしてたふしがあるしそれから優れた科学者の中には、今の世界では段々に宗教の世界、精神の世界と科学を繋ごうという動きが確かに強く動いている。それはやはり時代の動きだと思う。科学が段々発達する程に、その限界がある程度解って来た。という事は、科学というと非常に一般的に聞こえるけど、科学というのも要するに人間の料学する心がその限界を知ったという事だからね。
信仰が始まるのは
ですから信仰が始まるのは、人間がいろんな意味で人間の限界というものを知る時に始まる。知識の面でも、行為の面でも、何かしようと思っても中々出来ない。自分の体でさえも、病気になったら中々自由にならない。大病して死ぬか生きるかという様な所へ行った人というのは、それを契機にして、自分の体っていうのはやはり自分で生きてるんじゃなくて、生かされてるんだというのをやはり感ずると思うんですね。だからそういう大病した人っていうのはある意味で、どっかで話せる様になっちゃう訳ね。いつでも健康で恵まれてる人っていうのは、どっかで上滑りで、その人間の限界というのが良く解らないから、どっかで逃げちゃうね。最後のどっかへ行くと、そんな事は解らないから、と言って逃げると思う。
ー後略ー
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